労働保険

労働保険事務組合とは - 中小企業のための労務コンサルタント

事業主のみなさまへ

1)労働保険とは

「労災保険」「雇用保険」とを総称したもので、厚労省が管理・運営している強制的な保険です。そのため、農林水産の一部の事業を除き、労働者を一人でも雇っている事業主は必ず労働保険に加入しなければなりません。

● 労災保険とは

労働者が業務上の事由又は通勤の途上において負傷したり、病気に見舞われたり、あるいは不幸にも死亡させた場合などに、被災労働者やその遺族に必要な保険給付を行い、労働者の社会復帰を促す制度です。

● 雇用保険とは

労働者が失業した場合や労働者について雇用の継続が困難となった場合などに、労働者の生活や雇用の安定を図るため、失業労働者に必要な保険給付を行い、労働者の再就職を促す制度です。

2)加入の義務とは

従業員を1人でも雇用している事業主は「労働保険」への加入が義務づけられております。(役員と同居する家族従業員等、労働保険の加入対象外となる場合がございますので、担当職員までお尋ねください。)

3)加入の手続きとは

保険関係成立届を所轄の労働基準監督署及び公共職業安定所に提出し、その年度分の労働保険料(確定・概算保険料)を申告・納付することが必要です。

4)労働保険事務組合制度とは

商工会議所等の事業主団体が、事業主からの委託を受けて、事業主に代わり労働保険に関する事務手続を行うことによって、事業主の事務負担を軽減し、労働保険の適用促進及び労働保険料の適正な徴収を図る制度です。

雇用保険や労災保険の手続きが複雑でお困りの方は、事務組合への事務委託をお勧めいたします!

労働保険事務組合に加入するには

● 労働保険事務組合は、商工会議所などの事業主の団体が厚生労働大臣の認可を受けて、事業主の代りに労働保険の事務代行を行うものです。

● この労働保険事務組合に加入するには、商工会議所などに備えつけの加入申込書を提出し、同時にその団体の構成員になることが必要です。(詳しくは当会議所の担当職員までお尋ねください。) 

● 事業主から提出された「事務委託書」にもとづき、労働保険事務組合では事業主に代って次のことを事務代行します。

労働保険事務組合が代行する事務の範囲は

1)労働保険の加入手続(労働基準監督署・公共職業安定所への手続)

2)労働保険料(概算・確定保険料)の計算

3)労働保険料の申告及び納付に関する事務(愛媛労働局に対し、保険料の納付を行います。)

4)雇用保険の被保険者に関する届出や、その他事業主の行うべき手続

5)労災保険の特別加入の申請に関する事務

【労働保険提出書類一式】

労働保険提出書類一式

 

 

※上記ボタンクリックのうえ、書式を取得ください。

 

事務委託事業主の特典は

● 労働保険料は3回分納できます。(6月10月1月

● 事業主や同居の親族・会社の社長・役員も希望すれば労災加入できます。
  これを「労災の特別加入」といいます。

 中小事業主の特別加入(第1種特別加入)とは

1.主旨は

 中小企業の事業主やその家族(会社の時は社長や役員)も従業員と同じく危険な仕事をしている場合が多数あります。

 本来、労働保険は他人従業員(労働者)の仕事中のけがなどの補償を事業主に義務づける労働基準法から出発していますので、事業主やその家族従業員のようないわゆる使用者がたとえ仕事中のけががあっても労災が効きませんでした。

 しかし、このような事業主や家族従業員に対しても、労災保険が特別に適用されることとなりました。ただし、特別加入(第1種特別加入)が認められる者は、労働保険事務組合に加入している事業所に限られます(※一人親方を除く)。

2.特別加入(第1種特別加入)の対象は

● 中小事業主が第1種特別加入の対象となるか否かは、企業の従業員数によって定義されます。

● 金融・保険・不動産・小売業であれば労働者数が50人以下、卸売・サービス業であれば100人以下、その他の事業については300人以下の労働者数の場合、第1種特別加入の対象となります。

3.特別加入の保険料は

 特別加入の保険料は、一般従業員の保険料とは算定方法が多少異なります。

 まず、一日の賃金(補償額)を3,500円から25,000円の範囲で加入すると同時に決定します。この金額については、具体的な決まり事はございませんが、一応その人の所得に応じて決定することが好ましいとされています。 

 また、この金額のことを給付基礎日額といいますが、この額に365倍した額が、その人の年収(保険料算定基礎額)となり、賃金とみなされます。そして、この賃金にその業種の保険料率を乗じ得た額が特別加入者の年間の保険料となります。

※この金額は年度の途中で変更できませんので慎重に決定して下さい!

4.特別加入の給付は

● 特別加入者が万一労災事故に遭われた場合、治療費が労災保険より給付されます。

● この治療費は、決定した給付基礎日額の多少にかかわらず治療費全額(実費)が給付されますが、休業補償や障害補償等の給付額は、決定された給付基礎日額に応じて給付されます。

労働保険事務手数料規定(年額)

常時使用労働者数手数料
1人~5人 7,000円
6人~10人12,000円
11人~15人17,000円
16人~20人22,000円
21人~30人25,000円
31人~50人30,000円
51人~100人40,000円
101人以上50,000円
特別加入1事業所 2,000円

保険料等納入時期は

第1期分 6月20日(同時に事務手数料年額)

第2期分  10月20日

第3期分 1月20日

口座振替により納入します振替日当日が銀行の休業日にあたるときは、翌営業日になります。

※令和5年度雇用保険料率変更のお知らせ

🔶令和5年4月1日から令和6年3月31日までの雇用保険料率は以下のとおりです。

●失業等給付等の保険料率は、労働者負担・事業主負担ともに6/1,000に変更になります。(農林水産・清酒製造の事業及び建設の事業は7/1,000に変更になります。)

●雇用保険二事業の保険料率(事業主のみ負担)は、引き続き3.5/1,000です。(建設の事業は4.5/1,000です。)

 詳細はこちら(雇用保険料率変更のお知らせ)